いよいよ今週ですね。
これを機会に・・・しなくてもいいんですが我らハズレ馬券研究会に相応しい武勇伝の数々を今週は紹介しようかと思っています。
僕が馬券において師匠と呼べるのは生涯この人ただ一人という青木(仮名)の最も激しくも儚い武勇伝からです。
この日僕と青木は後楽園(今の東京ドーム)に来ていました。
今で言うウインズ・・・その当時は場外馬券場と呼ばれていました。
この日も青木はいつものように負け続けていました。
確か午後から用事があったからだと記憶しているのですがメインレースははなからやるつもりもなく・・・7レースくらいでやめることになっていました。
「実はおれ・・・この最終レースにかけてたんだよ。」
「これ最終レースじゃないけど・・・」
「おれにとっては最終レースなんだよ。」
7レース12頭立ての10番人気の馬を指差して・・・
「この馬に間違いない。この馬から流すぜ!」
と鼻息荒く言いました。そして、窓口に行って小走りに帰ってきました。
「あれ?総流しじゃないの?」
その当時は馬券の連勝複式は枠しかなかったのです。
その馬の枠から全ての枠を買ったと思ったのですがぞろ目だけかっていませんでした。
「この同枠のの奴は来るわけないないよ。一応買おうと思ったんだけど帰りの電車賃残しておいたんだ。」
って自信あるんじゃないのか〜!?
まあ、どっちにしても12頭立てで10番人気の馬なんてくるわけないし確かに同枠の馬はさらに人気薄のブービー人気でした。
もうお気づきとは思いますが来ちゃったんですよね〜、これが!
当然万馬券になりました。
はっきり言って天才です。10番人気の馬を本線一点でぴたりと当てているのにヒモ(2着)が一頭だけ買わなかった馬とは・・・
青木は今頃何やってんだろ?
今も競馬をしているんだろうか?
もしそうだとしたら・・・あのとき・・・
「もう競馬やめたら」の一言が言ってあげられなかった僕を許してね。