雑用係兼理事長の日記

NPO法人スポーツ健康支援センターな日々


6月になりました。紫陽花の季節…

5月後半からこのブログを読んでくれている人は競馬ブログと勘違いしてるのではないでしょうか?

(実際そうなってるだろ!?)


本来このブログは土浦スポーツ健康倶楽部の代表としての職務5%の部分ではなく…

残り95%の雑用としての職務を愚痴たっぷりに綴る備忘録としての日記です。


現在連載中の物語は数年前に何篇か書いた競馬小説の中の一つであり、100%趣味の世界です。

読んだからと言って何かお得な情報が得られるわけでも明日からの生活に役立つわけでもありません。断じて!!



                   白柵の下の刈られない芝(5)


数日後、今年を締めくくる有馬記念の日がやってきた。


その日もいつもと同じように店の長椅子に寝ていた柴崎は昼近くに目を覚ました。こんな生活をしていると昼夜の区別がつかなくなる。体内時計は完全に狂っているのだが辛うじて空腹感だけが時間の間隔を教えてくれているようだった。


ため息を一ついてから柴崎は近くのコンビニへと歩いて行き、おにぎりを二つ取ってレジへと向かった。小銭をポケットから取り出そうとしたときスポーツ新聞が目に留まった。どの紙面も有馬記念が一面トップでそれを見て柴崎は青井ひとみが最後に言った言葉を思い出した。


もともと競馬の裏情報など信じてはいなかったが裏切りにあってから人間不信に陥っていた彼にとって彼女のくれた情報など正直信じる余地がなかったが、これから何をするわけでもなかったのでとりあえず競馬場に行ってみようと思い立ち、何年かぶりに競馬新聞をレジに出した。


店に戻った柴崎はおにぎりをかじりながら競馬新聞を眺めてため息をついた。
今年の有馬記念は混戦模様でどの馬が来てもおかしくない様相を呈していてオッズは一番人気薄でも単勝で40倍程度の見込みなのだ。


「やっぱりガセネタだ。今更競馬を見に行ってもしょうがないし…」


柴崎は有馬記念の予想をすることさえ億劫になり長椅子に横になり、子馬の写真を眺めながらうとうととしていたとき浅い夢を見た。


先日の青井ひとみが帰り際に言った言葉が夢の中でプレイバックしていた。


「今年最後のレース…」


そしてその浅い夢の中で彼女は最後の最後にはっきりとこう言ったのだった。


「私、命をかけて走りますから!」


柴崎はその瞬間目を覚まし、起き上がって急いで競馬新聞を見なおした。
今年最後のレースは有馬記念の次の最終レースであることに気付いた。


その年の最終レースはグッドラックステークスとなっていて芝の2000m16頭立てで予想オッズを見ながら一番人気のない馬を探した。


「これだ!」


ガチガチの本命レースで誰でも当たりそうなまさにグッドラックの名に相応しい感じがして一番人気のない馬は大外16番で確かに予想倍率は単勝で118倍ついている。


さらに出馬表をよく見た次の瞬間、柴崎は全身に鳥肌が立った。


その馬は8歳の牝馬で名前は「ブルーアイズ」つまり青い瞳(青井ひとみ)ということ…そして、父母を見るとまぎれもなくそれはひょこたんと同じ血統であった。


「まさか…そんなことが…」


柴崎は引き出しから金庫代わりの全財産が入っている緑色の大き目の財布を取り出して鍵もかけずに店を飛び出した。


駅へ走り出した柴崎の頭の中では夢の中で付け足された「私、命をかけて走りますから!」という一言がリピートされていた。


やっと半分くらい?まだまだ続きますです。


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