雑用係兼理事長の日記

NPO法人スポーツ健康支援センターな日々


午前中にラジオ収録をして…

12月31日放送分なので…

テーマは「今年を振り返って」でした。お約束の…


お約束と言えば…今日は「クリスマスの約束」が放送されます。

深夜ですが気合いで観ます!たぶん…

思いついたストーリーをアップしていて…昨日からの続きなのです (*^_^*)


◆◆ サンタクロースのスパイス ◆◆


3.二つ目のプレゼント
中山競馬場はものすごい人の数で、掻き分けて進むようであった。
朔太郎は本当に競馬が好きであった。
詩歌と妻も一緒にたびたび中山競馬場に連れてきては芝生の広場で遊ばせながら競馬を楽しむことがあった。
小学生になったばかりの詩歌がサンタに突拍子もないものを頼んだのもそうした経験があったからであり、詩歌はもちろんのこと朔太郎自身も競馬はギャンブルではなく、娯楽であった。

ただし、朔太郎は馬券ではほとんど勝ったことがなく、競馬場に来て、収支がプラスになったことは皆無であった。

この日財布の中には5000円ほど入っていた。
収支がプラスになろうが、マイナスになろうが的中している馬券を手に入れなくてはならない。
今年の有馬記念は以下の12頭立てで…
 1 サクラチトセオー
 2 タイキブリザード
 3 ゴーゴーゼット
 4 ロイスアンドロイス
 5 ナイスネイチャ
 6 ジェニュイン
 7 ヒシアマゾン
 8 ナリタブライアン
 9 イブキタモンヤグラ
10 マヤノトップガン
11 アイルトンシンボリ
12 アイリッシュダンス

朔太郎はとりあえず12通り全馬の単勝を100円ずつ買った。
その中の一つは間違いなく的中しているので、プレゼントは確保できたことになる。


4.彼への贈りもの
今度は自分の予想を始めた。
去年は三冠、そして有馬記念も勝ったナリタブライアンであるが故障してから負けが続いている。
担当医の言葉が朔太郎の頭をよぎった。復活はあるのか?と…

朔太郎の好きな馬はジェニュインで、いよいよサンデーサイレンス産駒が日本の競馬界を席巻する幕が開くような予感を感じさせる馬である。
気になったのはタイキブリザードロイスアンドロイスだった。
ロイスアンドロイスは去年の秋の天皇賞で本命にして単複を5000円ずつ買った大勝負に出た。
結果、3着に入って複勝で勝たせてもらったのだ。

タイキブリザードからジェニュイン・ロイスアンドロイスヒシアマゾンに流してみるか?
馬券購入のためのマークシートにチェックを入れ始めて…ふと思った。

今日はやめておこう。馬券を買うならその分詩歌に何か買ってあげようと…
朔太郎は書きかけのマークシートを破ってゴミ箱に捨てた。

いよいよ1995年有馬記念本馬場入場が始まった。



優勝したマヤノトップガン単勝は13倍であった。

朔太郎は12通り全部の単勝を買っていたので…

何と!1頭分余計に配当がついたことになる。

競馬場に来てプラス収支になったのはこれが初めてである。

この100円こそがオレにとってのクリスマスプレゼントだなと朔太郎は感じていた。
そして詩歌のための二つ目のプレゼントである的中馬券を持って家路を急いだ。


祖父母の家に預けておいた詩歌を連れて家に着いたのはもう午後8時をまわっていて、その晩は、さほど会話もなく詩歌は眠ってしまった。

それでも「サンタさん、二つもプレゼントくれるかな?」と気にしていたようで…
朔太郎は「きっと大丈夫だよ。」と言った。


そして詩歌はまた「お父さん、今日の競馬やったの?」と尋ねてきた。
朔太郎にとってこの質問がくることは想定の範囲内であったので答えを用意しておいた。
「今日は忙しくて出来なかったんだ。出来たとしても、当たらなかったよ。」

すると詩歌はにっこり笑って「きっと大丈夫だよ。サンタさんがプレゼントしてくれるから…」と言い、さっきとは逆に励まされたようだった。

朔太郎は詩歌が眠りに着いたのを確認して薬の小ビンと馬券の封筒をソックスの中にそっと入れた。
「長い一日だったなあ。」朔太郎はひとり言のように呟いて布団に入るとそのまま眠ってしまった。


つづく…

明日の日記で完結する予定です。


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