今年はオリンピックイヤー…
と言うことは閏年なのです。
つまり今日から普通の年の一年が始まる…
元旦だと思えば何だか一日得したような気になります。
(全然ならねえよ!)
第3四半期の報告書ですが…
驚くほどのスピードでサクサクと進み、ほぼ完成しました!
思えば今日は一歩も外に出ていません。
あとは税務署の業務が始まったら源泉納税して…
領収書のコピーを添付すれば完成です!
さて、短編の続きです。
今回が3話目で明日の4話が最終話となります。
もう少しお付き合いくださいね (*^^*)
もちろんスルーしてもらっても一向に構いません。
写心第3話 老婆のカメラ
「いいから、いいから。そこに立ってよ。」
「ここら辺だっけ?」
梢はあの時と同じ土浦をバックに響介の位置を指示して…
「おめでとうという気持ちを込めて笑顔を作ってね。」と言った。
「ああ、わかったって。」
響介はそう言いながら今の本当の気持ちを心の中で言葉にしていた。
「別れたと聞いたとき、オレがもらってやると言おうとしたんだ。でも別れてすぐだと浮気していたと思われるの嫌だったし…
それよりも前からずっとオレは梢と結婚するんだろうなと思っていたんだ。焦って結婚するくらいならオレと一緒になれよ!バカ!」
そう響介が心の中で言った瞬間、カシャっとシャッターの音がした。
梢は慌てて「私、シャッター押してないよ。」と言った。
「それ、たぶん不良品なんだよ。前に梢の写真撮ろうとしたときも勝手にシャッターが切られちゃったから。」
「え?そうなの?」
梢は首をかしげながら出てきたフィルムを引き抜いて団扇をあおるように乾かしていた。
「前に撮った梢の写真、ちゃんと写ってたか?」
「うん。まあね。何か飲み物買ってきてよ。」
「それより飯にしないか?」
「ううん、まだいい。」
そんな会話をしている間も梢はフィルムを乾かしていたが、その表情はどことなく真剣で緊張している感じがした。響介は缶コーヒーを買いに行った。
自販機で缶コーヒーを買いながら響介は写真を撮られた時の本当の気持ちを梢に伝えておこうかなと迷っていた。
ずっと以前から迷ってはいたが、今のままでも梢といるときが一番落ち着くし、ホッとする大切な時間なので自分の本当の気持ちを言うことによって梢とこれから会えなくなるのではないかという不安が先立って言えないのだった。
「ほら、買ってきたよ。」
梢の座るベンチに戻ってきた響介は缶コーヒーを差し出したが、梢はまったく反応せずに写真をじっと見つめていた。
「うまく撮れてる?」
響介がのぞき込むと梢はサッと写真を裏返した。
「何だよ?」そう言って響介が梢の顔を見ると涙目になっていたのだ。
梢は鼻をすすりながら、目を合わせずに響介に写真を手渡した。
「えっ?何、これ?」
その写真には土浦をバックに響介が写っているのだが、まるであとから加工したように吹き出しが付いていて文字が書いてあるのだ。その文字を読んだ響介は愕然とした。
それはさっき自分が心の中で言ったこととがそっくりそのまま書いてあったのだ。
さて、今日から365日…
今年もバタバタ必至ですが…がんばろうと心の中で言ってみる。
● 報告書の作成