雑用係兼理事長の日記

NPO法人スポーツ健康支援センターな日々

瀬戸内紀行

昨日の日記で日本海…今日は瀬戸内海なのです。
今年の夏におそらく初めて瀬戸内海を見ました。
おそらくと書いたのは小学生のころ家族で徳島に行ったことがあるのです。
ただそのときの記憶が阿波踊りしかなくて…

本当の美しい景色…
昨日の日本海の写真と比べてもわかると思いますが、砂浜の色が違うのです。
茨城の海岸、つまり太平洋も砂の色はとりらかというとグレーっぽいのです。
瀬戸内海の砂は茶色なんです。
タイトルが瀬戸内紀行となっているのにこれだけです(-。-)y-゜゜゜
そのうちまた書く機会があったら続きを書く…かもしれません。
感動したことがまだまだたくさんあるので…


園児の自転車教室レポート

【園児の自転車教室をやる羽目になった経緯】

依頼を受けたのは土浦市保育課からで…
「特色ある保育」という名目です。
たぶんそういった類の補助金が国から出ていてのことだと思います。
土浦市は「自転車のまち」だからねえ。(言ったもん勝ち。)
「市立保育所の園児に自転車を教えてもらえませんか?」
いきなりそう言われたのが、3月だったと記憶しています。
確かにドスケンでサイクリングはしているものの他人に自転車を教えたことはないし…
ましては園児に自転車はおろか何かを教えた経験もありません。
「なぜ、オレ?」と担当者に聞くと…
「課長が困ったら古徳さんなら何でも引き受けてくれると言っていたので…。」
やめてくれ~!!
土浦市役所内にそういう良からぬ情報が蔓延しているようで…
下手するとまったく畑違いの事案も回ってくる昨今…
今年度は予想外の大きな事業もあるとわかっていたので…
「無理だよ。やったことないし…他に頼める人いないの?」
「いません!古徳さんだけが頼りです!教えるというより自転車を通じて園児と遊んでくれればいいので…何とかお願いします!」
で…まんまと引き受けました(>_<)


【園児の自転車教室 概要】

市内の全ての市立保育所で4回ずつ開催しました。
対象園児は「年長組」(ほぼ5歳児)…つまり、来年、小学生になる子たちです。

荒川沖保育所    17名
霞が岡保育所    11名
天川保育所     12名
神立保育所     12名
土浦幼稚園     12名

合計 64名

保育所4回ずつなので延256人の園児に自転車を教えたことになるのです。
もちろん各回お休みした園児はいましたが、間違いなく200人は超えています。


短期間でこれだけの園児に自転車を教えるなんて人類史上初の試みかもしれません。
そもそも自転車とか補助輪なしで乗れるようになるのは家でのことで…
小学生になればたぶん誰でも乗れるようになる気がします。
なので未就学児にシャカリキになって教える必要があるとは思えません。
それ故に今まで例がなかったということです。


土浦市が用意した自転車は補助輪付きが10台で…
どの保育所も10人以上なのでどう考えても同時に乗ることは不可能です。
園児の人数は把握しているだろうからせめてあと2台用意すべきだよなあ。
ただ、各回一人二人欠席があったので全員が乗れることもありました。


大事な大事な自転車教室の目的ですが…
土浦市の目的としては「自転車の街」として早い時期から自転車に慣れ親しむ程度だと思います。
最初に依頼を受けたときも「園児が自転車を使って楽しく身体を動かせればいいですよ。」と言われました。


自分もそのつもりで楽しく園児との時間を過ごせればいいかな?と…
でも、着地点があった方がやりやすいのも確かです。
そもそも園児に自転車の乗り方を教える場合…
技術的なことを重視するか交通安全的なことを重視するか迷います。
今回の場合、楽しくということであれば交通法規は度外視しても良いと思いました。
つまり、道路に出られるようになるまでのことを重視です!


園児の自転車教室が始まったのは6月からで…
雨の日のことも先に言われていて…
「雨の日は室内で遊ぶことは可能ですか?」と聞かれていました。
保育所にはもちろん体育館なんてありません。遊戯室という少し広めの教室が各保育所にあります。
5月に実際に園庭とその遊戯室を5つの保育所全て回って確認しました。
遊戯室では簡単なボール遊びができそうな感じでしたので一安心。


保育所を回ったときに一番確認したかったのは、5歳児ってどんなもんなもんなの?でした。
放課後子ども教室で小学1年生には関わっていますが、それ以下と言うと皆無に等しい。
園児との接し方や体力などまったくわかならい状態だったのです。


自転車教室は自分が一人で全部やるわけではなく…
保育園の先生がもちろん手伝ってくれます。
そのサポートがなければおそらくまったくまとまらなかったと思います。
園児との接し方はもう慣れるしかありませんが…
6月に小学一年生と放課後子ども教室で接する機会は多いので…
その半年前と思うとほぼ同じような接し方でイケると感じました。


園庭の広さはそれぞれの保育園で異なります。
遊戯室(広めの教室)でも一人ずつなら行えます。
実は今回、大きな発見をいくつかしたのですが…
園庭よりも室内の方が自転車は乗りやすいのです。
考えてみると当然のことで平でタイヤが滑らない方が良いわけですから…
園庭は土か芝生でどんなに整備されていても多少デコボコしているのは当然です。
それに加え、芝生は少しでも濡れているとタイヤの滑りは激しいのです。
それによって園児の力ではペダルを漕ぐことすらできない。
実際に園庭でいくらやっても前に進まなかった園児が、遊戯室ではスイスイ前に進んだのです。


もし、少人数に園児の自転車教室を行うなら最初の1回か2回は室内でやった方がよいかもしれません。
その代わり一人ずつなのであっという間に時間が過ぎて終了になりますが…少人数なら何とか…


【始める前の園児の自転車経験】

園児(年長組:5歳児)の自転車経験はどのくらいなのか?
初回始める前に「自転車に乗ったことことある人~?」と聞いてみると…
半分以上、だいたい6割程度の園児が「は~い。」と手を上げた。
これはすでに家に自転車がある園児ということになるのか?
さすがにレンタルで乗るなんてことないだろうし…
ひょっとしてキック式のも含まれるか?そんな思いが交錯しました。

【始める前の自転車の説明】

いずれにしても乗ったことのない園児がいることは確かなので自転車の説明をすることにしました。
とは言え、園児に細かいところまで説明しても意味ないし、正直自分もよくわかっていないので簡単に。
ペダル、サドル、ハンドル、ブレーキだけです。
名称を覚えて欲しかったのはサドルを除き、3つだけです。
●ハンドルの説明は実際に自分が自転車を押して歩き、ハンドル操作で左右に曲がってみせます。
●ペダルはその場で後輪を浮かせてペダルを回すとタイヤが回ることを見せてやります。
●ブレーキはそのタイヤが回ってる状態で握ってキュッとタイヤが止まるところを見せました。
補助輪がついているので倒れることもないし、最初の説明はこの程度でよいのですが…
この他に説明しておいた方が良いと思ったのはペダルを逆回転しても後ろには進まないということです。
これも実際にタイヤを回しておいて逆回転させてもタイヤはそのまま回り続けることろを見せました。
また、タイヤを止めておいてペダルを逆回転させてもまったく動かないところも見せました。


【レッスン1日目】

まずは自転車を一列に並べて全員で乗ってみることにしました。
土浦市が用意した自転車は10台でこの日はたまたま休みの子がいて全員で乗れたのです。

土浦幼稚園は芝の園庭でちょうど運動会をやった数日後で小さなトラックが引かれていました。
園児たちが一度に自転車を漕いでいるのは爽快で先生も感心していました。
前述したようにペダルを漕ぐのは想像以上に力が必要で…2人ほど前に進まない子もいました。
あくまでも力の問題で理解していないわけではないのです。
逆にスイスイ走らせる子も何人かいましたが、初回なので前の人を抜かさないようにしました。
進まない子が周回遅れで詰まってしまいますが、仕方ないと思います。

合計で5周くらいしたところでコーンを2列並べて通路を作ります。
最初は広めですが、最終的には上の写真くらい…ギリギリ通れるほどにしました。
真っすぐ走らせるためですが、園児たちに…
「もっと難しくしちゃおうかなあ?」と言うと…
「いいよ、いいよ!」とほとんどの子がノリノリでした。

ブレーキの練習は前の子を抜かさないようにブレーキを使ってと言っただけで…
ほとんどの子が自然にできた気がします。
ただ、これは一人一人ちゃんと確認した方が良いと思いました。
全員ではなく、一人ずつ周回させてラインのところでブレーキをかけるという方法がベストです。

トラック(園庭)ではともかく路上を走ることを考えると右回りもやらせた方がいいと判断しました。
スポーツの世界で右回りがあるなんて競馬くらいなもんですが…(-。-)y-゜゜゜

今回の自転車教室は1回1時間です。
6月とは言え、暑さ対策も必要で休憩、水分補給の時間を考えると上の内容で1時間くらいになります。
10人以上いて2班に分かれたらサッサとやらないと時間オーバーになります。
ただし、休憩時間は乗らないでいるときに取れるのでその時間だけ余分にあることになります。


【レッスン番外編】

暑いだけではなく、6月なので雨の確率もかなり高くなります。
その場合は室内となるのですが、一人ずつでも自転車に乗るか…
その他の遊びをするかという選択肢があります。

室内で自転車に乗るのは広さ的に一人ずつですが、土や芝よりも乗りやすいという利点があります。
アスファルトよりもさらに乗りやすいような気もします。
園庭ではほとんど前に進まなかった園児も遊戯室だと前に進みました。
園児にとってこの差はかなり大きいです。
園庭でまったく前に進まない子がいたら天気が良くても一度室内でやってみる手も有りだなと思いました。

自転車に乗らずに別の遊びをする場合ですが、これは事前にいくつか考えてありました。
幼児のリトミックとかは保育園でも取り入れてやっているだろうから…
普段と違うこと…ということでボール遊びをすることにしたのです。
ボールはスポンジでできたドッジボールくらいの大きさのものを使います。

まず、一応は準備運動ですが、その場で足踏みからできるだけ早く足踏み…
その場でジャンプ、できるだけ高くジャンプ、ジャンプして空中で足を合わせる。
ジャンプして半回転(反対方向を向く)する程度です。
因みに空中で2回足を合わせるのもやってみせましたが、さすがに園児でできる子はいませんでした。
ジャンプして一回転もやってみせましたが、こちらは園児でも何人かはできました。

ボール遊びは円になって隣の人にボールを渡す、いわゆるボール回しから…
少し離れて軽く投げてボールを渡すから最後にどの子でも良いから、例えば対面の離れたこでも良いからボールを渡すという手順です。
最初のボール回しからなるべく早く正確にさせるために自分が鬼となり、ボールを持っているこにタッチしたらその子が鬼と言うことしました。
子どもたちが作る円の外周を移動します。
子どもたちは急いで隣の人に渡すようなり、ボール回しが早くなりますが、少し離れて軽く投げる段階で早くはなるのですが正確さに欠けることになります。これは大人でも同じなので仕方ないです。

どこでも良いから投げるという段階で大切なのは投げる相手の名前を言うということです。
誰に投げたのはわからないとちゃんと自分の正面に来たボールしか取ろうとしません。
これはサッカーなどパスを使う競技にはとても重要なことです。アイコンタクトまで行けば必要ないですが…
「〇〇ちゃん、行くよ!」と言ってから投げるわけです。

日常生活でモノを投げるという動作は皆無に等しいのでみんなとても楽しそうで…
想像以上に以上にきゃっきゃと盛り上がっていました。(よかった。)
自転車もそうですが、1時間はあっというまに過ぎていきます。
このくらいの遊びを用意しておけばよいでしょう。


【レッスン2日目】

今回の土浦市から委託された園児の自転車教室は全4回を市内の5園で開催でた。
夏休み前に2回×5園、9月から年内まで2回×3園、年明けて2月、3月に2回×2園で計20回です。

ってことで2回目はとにかく暑かった!
熱中症警戒アラートが出たときは室内でやることを余儀なくされました。
ただ、屋外(園庭)でもやれたのでレポートでは園庭での内容を記すことにします。

まずは1日目のおさらいを軽くやってから…
これまた1日目と同じように全員で一列になってトラックを計3周ほど回ります。
ここで気づいたのは前回と同じことなのに多かれ少なかれ全員が上手く乗れるようになっています。
まったく進まなかった園児も何とか進んでいるのです!
「家で練習したの?」と思わず聞いちゃいましたが、何もしていないとの答え…。
経験というのはとても大切なことだと改めて感じました。

●八の字走行
スラローム

2日目はこれを中心に行いました。
どちらもハンドル操作の練習となるはずですが、重要と言うか補助輪付きの盲点を発見したのです。
この発見だけでもこのレポートの意義はある!と思えるほどの…です。

補助輪無しの自転車に乗り慣れてしまって普段感じないのですが…
曲がるときに自転車はけっこう傾いていて体重も内側にかかっているのです。
バイクでコーナーを曲がるときに使うリーンウイズになるのです。
バイクの…特にロードレースではリーンウイズリーンアウトハングオンという曲がり方があるのです。
実は自分は二輪の国際B級ライセンスを持っていました。(とっくに失効してるけど…)

ところが補助輪がついていると自転車を傾けることができないのです。
「え~?そんなに曲がるときって傾いてるもんなの~?」と思うでしょうが、事実です。
では補助輪付きだとどういう現象があこるかというと…リーンアウト状態になります。
園児たちは曲がる方向にハンドルを向けると教えただけですが…
ごく自然にいったんは体重を内側にかけるし自転車も内側に傾く…
ところが、補助輪で遮られるためにかえって不安定な状態になり…
立て直そうとして体重を外側にかけるというメカニズムが生まれてのリーンアウトです。

この教室が始まる前から補助輪無しで乗れる子が数人いましたが…
補助輪付きだとかえって曲がりづらそうでした。
もっともたいていは臨機応変で要領よく順応していましたが…
下手をすると補助輪無しで乗れている子は曲がる方向の補助輪が接地してもなお傾けようとして…
逆に後輪が浮いてしまってバランスを崩すといったケースが見られたのです。

もしも、1時間を全4回の園児の自転車教室の最終目標を補助輪無しで乗れるようにするとしたら…
この二日目のレッスンである八の字とスラロームは軽くやるか無しにしても良いかもしれません。
本当に勉強になりました。

左右どりらにも曲がれるようにハンドル操作を一応やってみたところで…
●すれ違う練習をしてみました。
これは技術的というより交通法規に準じたものです。
トラックを右まりの班と左回りの班に分けてそれぞれ縦一列に並び、同時に周回させます。
すると約半周回った地点で反対方向から来た班とすれ違うはずです。
そのときに相手の左側を通ることを徹底させるのですが、そもそも園児が左右の区別がつくかが問題です。
始める前に「みんな、左手をあげてみて!」と言ってみたところ…ちゃんと左手を上げられた子は半数でした。
残り半数は右手を上げるか…迷いながら周りの様子を見て上げるか…
まったくわからず手を上げないかです。
まあ、でも高齢者の運動教室とかやっていても逆の手を上げる人はたまにいるし…
一度すれ違えばちゃんと相手の左側を通ってすれ違えるもんだと思いました。