雑用係兼理事長の日記

NPO法人スポーツ健康支援センターな日々

老婆の秋

土浦は概ね晴れの天気でしたが…
昼過ぎにもの凄い雷鳴とともに激しく雨が降りました。


近所に奥井(仮名)さんという90歳くらいのおばさんがいます。
あいさつはもちろんするのですが…
話始めると長くなるなのであいさつだけなのです。
この奥井(仮名)さんには僕より一つ上の息子さんがいました。
ですが…たしか中学か高校生くらいのときに亡くなっているのです。
確か事故だったような…そして、ご主人も同じ時期に亡くしています。


今、考えるとそれはそれは失意のどん底だったのではないかと…
しかし、そんなことを思わせないくらい気丈に振舞っていたのです。
もう何十年も…です。


一月ほど前にその奥井(仮名)さんが近所の自宅前にいて…
「こんばんは。」と声をかけると…
「あの…すいません。」と返してきました。
暗くて僕だと気づかなかったようで…
「どうしました?」というと「あっ、洋ちゃん。」と…
「あのね、暗くて鍵が開けられないの。」
ちょっと開けづらい鍵でしたが、開けてあげて奥井(仮名)さんは無事家の中に入れたのでした。


そして、先日の夜…20時くらいだったかな?
PC作業をしているとドアを叩く音がして…
開けてみると奥井(仮名))さんが立っていて…
「洋ちゃん、テレビが映らなくなっちゃった。」と言うのです。
「僕じゃ直せないですよ。」と返すと…
「リモコンの変なトコ押しちゃっただけだと思うの?来てくれない?」


奥井(仮名)さんの家は歩いて25秒ほどで…
おそらく半世紀ぶりくらいに上がりました。
息子さんが健在だったころはよく遊びに来ていたっけ。
案の定、入力切替のボタンを間違って押したようですぐに直ったのです。
お礼をすると財布を取りだしたのですが…さすがに拒んでそそくさと帰りました。


それからも道を会えばあいさつをして…
でも、話が長くなるからさっと通り過ぎるのですが…
昨日、やはり道で会ってあいさつをして通り過ぎてちょっと振り返ってみると…
奥井(仮名)さんは何と僕の方に向かって手を合わせているのです!


地域のためだ何だのと活動はしていますが…
本当のところどうなのか自分でもわからなくなることがあります。
些細なことでも時として最大級の感謝につながることもあるのです。
きっとその積み重ねの方がこの腐りかけた世の中を救えるのかもしれません。


今日、奥井(仮名)さんは卵を数個持ってきてくれました。
そのときも僕に手渡すと「ありがとね。」と手を合わせていました。
「あの~、お金の方が良いですけど…」なんて死んでも言えません。


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